鶴山 竜昭(Tsuruyama, Tatsuaki)
(2016.4.1~2020.3.31)
創薬病理学を担当します鶴山です。病理学は、疾患の肉眼及び顕微鏡の組織の形態観察を通じてその原因や病態を理解する医学・生命科学分野の一つです。現在、研究教育を行っている医学部附属総合解剖センターを中心に、京都大学で20年にわたって教鞭をとり、大学院教育コースで本邦では数少ないマウス・ヒトの比較病理学の講義実習を行っています。開講される創薬医学講座の病理部門では、さらに創薬につながる病理学の基本を講義・実習を通じて学べるカリキュラムが組まれます。みなさんのご参加をお待ちしています。
創薬医学と病理学
原子間力・電子・質量分析顕微鏡などさまざまな画像分析技術やプロテオミクス解析とくみあわせる研究をしています。質量分析のイメージング(左写真)では赤線で囲んだがん細胞にヒストンH2Aのシグナルが強く観察されます(右写真)。このように疾患に特徴的なタンパク質を直接同定することでその原因となるさまざまな生体物質の同定やバイオマーカーの探索、治療薬の標的分子の同定をめざしています。この新しいイメージングは、病理と薬物動態、薬理、薬剤応答の分析に今後欠かせない技術となることが予想されます。
ティッシュリサーチプロジェクト
(文部科学省特別経費事業)
創薬においては高品位の研究サンプルの確保が必須です。京都大学では、保管技術とバン分析技術開発についての「ティッシュリサーチプロジェクト」を実施しています。ティッシュは「組織」で「リサーチ」は研究です。創薬医学講座では、このプロジェクトを通じて、クオリティーの高い試料を用いて、さまざまな共同研究基盤整備・民間企業との研究を支援しています。ご興味のあるかた、企業のみなさまはぜひご覧下さい。
連絡先: 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院 先端医療機器開発・臨床研究センター内
クリニカルバイオリソースセンター(生体試料保管管理部門)
TEL:075-366-7694(秘書室)/7658(直通)
EMAIL: tsuruyam@kuhp.kyoto-u.ac.jp
- Tsuruyama T, et al. Constitutive activation of Stat5a by retrovirus integration in early pre-B lymphomas of SL/Kh strain mice. Proc Natl Acad Sci U S A. 99(12): 8253-8, 2002.
- Kakimoto Y, Tsuruyama T et al. Sorbin and SH3 domain-containing protein 2 is released from infarcted heart in the very early phase: proteomic analysis of cardiac tissues from patients. J Am Heart Assoc. 2013;2(6):e000565.
- Hiratsuka T, Tsuruyama T, et al. ZFP521 contributes to pre-B-cell lymphomagenesis through modulation of the pre-B-cell receptor signaling pathway. Oncogene. 2016 (in press).